4月の劇団四季公演『ゴースト&レディ』の観劇を前に、原作となる藤田和日郎先生の『黒博物館 ゴーストアンドレディ』を読破しました。
まだ舞台を観る前の「真っさらな状態」で原作に触れたからこそ感じた、この物語の深みと、劇団四季版への期待をまとめてみたいと思います。
「聖人」の仮面を脱いだ、一人の人間としてのフロー
「看護師・ナイチンゲール」といえば、献身的で慈愛に満ちた「ランプの貴婦人」という聖人のイメージが強いかもしれません。しかし、本作が描き出すフロー(フローレンス・ナイチンゲール)は、もっと泥臭く、強烈に人間的です。
- 絶望という名の「悪霊」に取り憑かれた時の、病的なまでの表情。
- 死を覚悟した瞬間に見せる、危ういほどの意志の強さ。
彼女が単なる偉人伝の主人公ではなく、苦悩し、抗う「一人の女性」として描かれている点に、強く心を揺さぶられました。
「見える世界」と「見えない世界」の最強バディ
この物語の最大の魅力は、正反対の領域に生きるフローとグレイが、互いの欠けた部分を補い合う「バディもの」としての面白さにあります。
- フロー: 看護師としての論理、統計データ、そして揺るぎない慈しみで「現実の困難」に立ち向かう。
- グレイ: 人を蝕む悪霊を斬ることで、物理的な手段では届かない「精神的な闇」を払う。
理論で攻めるフローと、剣で守るグレイ。この二人が良きパートナーとして戦場を奔走する姿こそ、本作の醍醐味だと言えるでしょう。
『ウィキッド』にも通じる、二人の俳優の「化学反応」
原作を読み終えて感じたのは、「この物語の成否は、フローとグレイを演じる二人の俳優にかかっている」ということです。
それはどこか、劇団四季の人気演目**『ウィキッド』のエルファバとグリンダの関係性**にも通じるものがあります。立場の違う二人の魂が、反発しながらも深く響き合っていくプロセス。そのドラマチックな化学反応が、舞台の上でどう再現されるのか。そこが最大の注目ポイントになりそうです。
舞台版への期待:劇団四季はどう「可視化」するのか?
最後に、舞台ファンとして気になるのが演出面です。
- 迫力のアクションシーン: グレイとデオンによる激しい戦闘は、舞台でどう表現されるのか?
- 内面描写の視覚化: 「悪霊が人の心を傷つける」という極めて内面的な描写を、四季の舞台技術はどう「目に見える形」で見せてくれるのか。
原作の持つ重厚なメッセージと、藤田作品特有のダイナミックな世界観が、ミュージカルという魔法でどう生まれ変わるのか。4月に幕が上がるのが、今から楽しみでなりません。
皆さんもぜひ読んでみてください。

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